活用シーン・導入事例

芙蓉総合リース株式会社様

高機能チャットボットの導入で業務のDXを促進 コア業務に注力する時間の確保と業務プロセスの効率化が実現 導入事例:芙蓉総合リース株式会社様

CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)の理念のもと、事業を通じて様々な社会課題の解決と経済価値の同時実現を目指している芙蓉総合リース株式会社様。新中期経営計画では、デジタルテクノロジーを有効に取り入れ、社会課題の解決を図る「DX戦略」を策定されています。戦略の一つである社内業務効率化のため、弊社Magic Insight for Chatbot(以下MIC)をご導入頂いた経緯と導入後の効果を伺いました。

課題 複数のデータベースを用いた調査や検索に時間を要し、社内からの問い合わせ対応が業務を圧迫していた。
解決策 テキストマイニングツール・既存グループウェアとの連携と、検索機能などを独自開発(カスタマイズ)した、高機能チャットボットを構築。
成果 1案件における調査・検索時間が削減した。

外部環境の変化、多様化するニーズへの対応や共有価値のための「DX戦略」を策定

ー 貴社の目指すDX戦略についてお聞かせください。

当社は中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」において、CSVの実践を経営ビジョンとして掲げております。テクノロジーの進歩により社会のデジタルシフトが加速する中、外部環境の変化やお客様のニーズの多様化・高度化に対応しつつ共有価値の創造を実現していくためには、デジタルテクノロジーの有効活用が必要不可欠であるという認識の下、4つの「DX戦略」を策定しました。

  • 戦略1 新たなビジネス領域拡大に向けた取り組み

    リカーリング・サブスクリプションをはじめとした、デジタルテクノロジーを取り入れた新たなビジネスの構築支援

  • 戦略2 先進的な商品・サービスを通じた提供価値の向上

    クラウドソリューション等の提供による顧客の業務効率化・DX推進支援

  • 戦略3 営業活動のデジタルサポート

    新たなビジネス創出・顧客サービス向上に資するための、デジタル技術やデータを活用した営業活動をサポートする仕組みの構築

  • 戦略4 事業運営の抜本的な効率化・高度化、柔軟な働き方と業務プロセス改革

    デジタル技術を活用したミドル・バックオフィスにおける業務プロセス改革、ならびにDX人材育成

また、上記戦略を効果的に推進するため、2022年4月に「DX・マーケティング戦略部」および社長が委員長となる「DX戦略推進委員会」を設置しました。同委員会では、DX・マーケティング戦略部を事務局として、①DX戦略推進に必要な組織・体制整備、②営業DX戦略の推進、③DX戦略を支えるITシステム・デジタル技術活用の環境整備についての審議・報告を行っています。

外部環境の変化、多様化するニーズへの対応や共有価値のための「DX戦略」を策定

必要情報が点在し、1案件における調査・検索に大幅な時間を費やしていた

ー MIC導入前に抱えていた課題を教えてください。

事務企画部 業務推進グループ 課長代理 山村 様

私達が所属している事務企画部は、お客様ではなく、社内からの問い合わせ対応が業務時間を圧迫している状態でした。
また、営業担当者は、見積書を作成するたびに、リース対象物件の「法定耐用年数」「動産総合保険料率」等を、それぞれ異なるデータベースにアクセスし検索・調査を行う必要があり、当部署に問い合わせをする前の段階でも大幅な時間を費やしていました。
100件の案件があれば、そのうち5-6件は当部署に問い合わせがあり、1件あたりの調査・判別に10分ほどの時間を費やすこともありました。
当初はその5-6件の対応時間の削減が課題解決目標でしたが、問い合わせに至らない案件に対する営業担当者の検索負担(時間)軽減も目標に含め、1つの案件に費やす調査・判別時間を4分台に削減することを追加目標としました。

ー どの程度の期間、課題解決の検討を行っていたでしょうか。

事務企画部 業務推進グループ リーダー 百瀬 様

1年半ほど悩まされていました。課題解決のためのトライアンドエラーを繰り返し、DXに向けたさまざまな企画立案を行いましたが、採用に至らないケースが多々ありました。表面化されている課題解決を目指して仮説を立てると、ボトルネックになっていた課題が見つかり、それら全てを解決する手段の実現可能性を探る段階で断念する企画も非常に多かったです。

デジタルテクノロジーを有効活用し、業務改善と効率化を図る

ー 課題解決に取り組むきっかけを教えてください。

前述した課題は、人海戦術で解決できる面もありますが、デジタルテクノロジーの活用により業務改善・業務効率化が期待できる分野だったため、ツール導入の検討に至りました。
まずは問い合わせ対応を削減できるツールを検索し、テキストマイニング分野で各社資料請求を行いました。表面的な課題への解決だけではなく、抜本的な改革を実施すべく、さまざまな仮説を立ててツールの選定を行っておりました。その中でイーネットソリューションズさんのMICにたどり着き、ご説明を伺いながら進めていくことにしました。

通常のチャットボットでは実現が難しい機能も、オプションや独自開発(カスタマイズ)で実現可能に

ー 構築内容やチャットのフローを決定するにあたり、困難であった点を教えてください。

まず始めに、それぞれ異なるデータベースで行っていた検索を1回の検索で完結できる形を模索し、チャットボットという形式に絞り込みました。
一般的なチャットボットは一問一答形式が通常仕様だったため、当初はテキスト形式での検索を考えていましたが、仕様を固めていくうちに、テキスト形式だけでは実現できない絞り込み項目が必要なことが判明しました。
それらのことから、一般的なシナリオ作成に比べ、当社独自のフローを構築していくことに時間を要しました。
しかしながら、MICはカスタマイズ性が高く、開発担当者様とディスカッションを重ね、当社特有の開発を組み合わせることで求めていた機能がそろった最適なチャットボットの構築が実現しました。

通常のチャットボットでは実現が難しい機能も、オプションや独自開発(カスタマイズ)で実現可能に

テキストマイニングや既存グループウェアとの連携で、高機能なチャットボットの運用が可能に

ー 満足度の高いカスタマイズがあれば教えてください。

Magic Insight for WEX(MIW)との連携や、キーワードの組み合わせ検索、終了判定を置かないで繰り返し検索し続けることができるような仕組み、既存のグループウェアとの連携、そのほか細かいカスタマイズについてもご提案をいただき、弊社独自のチャットボットを構築することができました。
特に、既存のグループウェアとの連携が可能なツールが少なかったため、MIC 導入の大きな後押しとなりました。法定耐用年数など、グループウェア内の該当項目へ遷移するリンクが、チャットの回答として表示されるため、グループウェアを立ち上げて別途検索する必要がなく確認が容易になりました。

テキストマイニングや既存グループウェアとの連携で、高機能なチャットボットの運用が可能に

社内利用促進のため、特異性や機能性の周知を進める

ー 社内からの反応や実際の声などはいただいているでしょうか。日常業務におけるチャットボットの利用頻度、使用感はいかがでしょうか。

利用頻度という面では、社内認知度はまだ50%程度です。課題解決の指標であった「時間の削減」については、まだまだ改善の余地がありますが、大幅に削減できた事例も少しずつ見えてきています。

利用頻度という面では、社内認知度はまだ50%程度です。課題解決の指標であった「時間の削減」については、まだまだ改善の余地がありますが、大幅に削減できた事例も少しずつ見えてきています。

営業担当者が20-30分かけて調査し、その後に事務企画部などに質問をしていた問い合わせも、営業担当の確認5-6分で済む形に短縮されたという事例もありました。
使用感という面では、中堅以上の営業担当者は個人の経験や記憶から判断されることも多いため、リピートして利用しているのは経験の浅い層の営業担当が多く見受けられます。
MICを使用することで、多忙な先輩や上司に質問するよりも、いつでも利用できるチャットボットの方が、質問することへの心理的ハードルが低いのでは、と想像しています。
引き続き、通常のチャットボットとは異なる、当社独自の特異性や機能性を周知し、社内利用促進を進めていく予定です。

ー 今後、新たなカスタマイズを検討されているでしょうか。

直近で追加のカスタマイズをしていただいてから、利用者数は増加傾向にあります。
利用者からは「こうしたらどうか」という声が出始めており、早速イーネットソリューションズさんへ共有をさせていただき、ディスカッションをいたしました。
運用過程でさらに便利な使い方があれば引き続き検討していきたいと考えております。

ー 今後の業務改善、DX推進に向けての展望をお聞かせください。

今回のMICの導入は、業務プロセスの中でも「案件が具体化する前の段階」での効率化を図るものでした。今度は「実際に受注した後のフェーズ」におけるアナログ作業もDXの余地があるのではと、予測しています。

今回のMICの導入は、業務プロセスの中でも「案件が具体化する前の段階」での効率化を図るものでした。今度は「実際に受注した後のフェーズ」におけるアナログ作業もDXの余地があるのではと、予測しています。

― この度はお忙しい中インタビューにご対応いただき、ありがとうございました。

芙蓉総合リース株式会社様

代表取締役社長 織田 寛明
事業内容
  • 情報関連機器、事務用機器、産業機械、工作機械、商業用店舗設備、医療機器、船舶/航空機/車両並びに輸送用機器、建築土木機械、などのリース および割賦販売業務
  • 金銭の貸付、その他各種金融業務
  • 不動産リース
  • 各種コンサルティング業務 その他
Webサイト https://www.fgl.co.jp/